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令和7年度のはじまりにあたって

『世の中は三日見ぬ間の桜かな』 

「桜の花があっという間に咲いて散ってしまうように、世の中の移り変わりも激しい」という諺です。

私たちの周りを見てみても、昨年登場したばかりのAIがアッと言う間に定着し、AIなくして経済は成り立たないとか、人手不足を解消する手段とか言われています。また、様々な分野でAIが人間の仕事を奪ってしまうなどとも言われています。確かに事務的に処理する分野等マッチングする職務なら可能性は高いのでしょう。しかし福祉の世界では限界があり、ロボットやAIが直ぐに人間に取って代わることは難しいと言われています。
 では、当法人や福祉の世界に当てはめて考えてみましょう。当法人は昨年4月から養護老人ホーム「木曽寮」の運営を始めたことにより、児童福祉・障がい福祉・高齢者福祉をトータルに提供できるオールラウンダーな法人となっています。法人の理念~「あってよかった」をすべての人に~は、当法人が目指してきた「福祉サービスを必要といている人に、必要なサービスを、必要な期間提供する」という基本的な考え方に基づいています。私たちの理念から逸脱することなくAIを取り入れていくとしたら、どんなことが考えられるのでしょうか?職員の勤務表の作成はできるでしょう。業務の見直しはどうでしょうか?どこの事業所もそうですが、慣れたやり方を変えるとか見直すということは皆さんが一番苦手とする分野だと思います。しかし今後労働者人口の減少により職員の確保が難しくなるうえに、サービス利用者数も減少してきます。この急激な変化に対して、対応が遅れてはなりません。法人運営を脅かすような致命的な遅れを生じさせないためにはAIによるデータの処理と情報の共有化、効率的な職員配置や動きという面では大活躍すると思います。直接的な利用者への支援はいくらロボットがAI知能を搭載しても人間の細やかな観察力と支援の内容には及ばないのではないかと思っています。とはいえ、福祉の世界は世の中の流れから遅れてしまいがちです。アッと言う間に置いてきぼりになる恐れがありますので、必要な分野にはAIを積極的に活用していかなくてはならないと思っています。

さて、実際当法人でも事業の見直しが始まっています。木曽郡では急激な人口減と同時に利用者人口も減少しているからです。具体的には利用者数が激減し今後も改善する見通しが立たない「ひのきちゃんハウス」の生活介護事業は令和7年3月末で廃止し、4月からは日中一時支援事業とリサイクル広場の運営を中心に行うようにしています。
また、「障がい者グループホーム」についても令和7年4月末で老朽化した「こぶし荘」を廃止し、新たに北部利用者の意向に沿う形で木祖村に定員5名の施設を新たに造る方向で手続きを進めます。この施設は令和9年度の開所を目指しています。今後は利用者数の動向とニーズ及び国の施策の流れを見極めながら事業展開を考えることになります。特に児童福祉分野は方針が明確示されています。将来的に入所施設はもっと小規模化され専門性機能が強化されるとともに、施設ではなく地域で生活するために子供を支える役割も持たされます。障がい福祉分野では入所施設からの地域移行に向けた取り組みが強化され、重い障がいがあっても地域で生活する方向にシフトされていきます。高齢者分野においても、今後10年以内には高齢者人口の減少及び働き手の不足から入所施設の淘汰と介護保険事業者の集約が始まるでしょう。
「三日見ぬまのの桜かな」。これから福祉の世界は急激に変化していきます。私達は将来を見据えた持続可能な事業運営ができるように考えていかなくてはなりません。最新の情報から予測データ=将来予測から早めの対策をしていくことが求められます。しかし人間の能力には限界があります。ある部分はAI等で補っていくことも必要であり、法人の体質を一層強靭にしていくためには、皆さんも1つの事業所だけに勤務するのではなく、色々な事業所を経験し、理解し、助け合えるようになることも必要です。今年度から上松荘と木曽寮の間で1年単位での異動制度も始めました。なるべく多くの職員が他施設を経験できるようにすることと、職員の心理的な負担を軽減するためです。持続可能な事業運営の観点からも行っていかなくてはならない重要なことです。どこの施設で何が起こっても助け合える仕組みを整備していかなくてはなりません。未来の在り方を共有し、一緒に取り組んでまいりましょう。
こんなことを皆さんにお願いしながら、新年度を迎えた私の挨拶とさせていただきます。

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